見て歩き:金田一好平のアートルポ



produce by 亥辰舎
TOP

金田一好平のアートルポ/第2歩

●大人になると落ち着くんだな

展覧会名:菱山裕子展
会場:養清堂画廊
会期:2010年2月1日〜2月13日

 2月3日、やや暗くなった銀座を歩いていて、菱山さんの個展があったことを思い出す。和光のディスプレイを手がけたりして、すっかり有名人になっちゃった感のある菱山さん。会場に本人がいたら、いったい何年ぶりかなと思いつつ、画廊の階段を上がる。ここの階段はちょっと急勾配。お年寄りは気をつけましょう。いたいた。本人はこちらが誰か思い出せないのか、会釈だけ。この隙に作品をじろじろ観る。あれ?なんというか、おとなしいぞ。以前に見たときはもっとパワーがあったような……。壁には花の作品が静かに掛けられ、森の妖精らしいメインの作品も動きは感じられない。あ、テーマが自然だからかな?
 さんざん観てから、「金田一です。」と正体を明かす。「以前に観たときよりもおとなしい感じがしますけど……。」「そうですか?」「この会場は何年ぶり?」「10年ぶりですけど……。」「!!」。そりゃぁ、変わるでしょう。10年も会っていなかったなんて、思ってもみなかった。とはいっても、今調べてみたら’06年のギャラリーなつかも観ているし、和光は’08年。やっぱり昨年あたり、なにかあったのかな?
金網で造ったスカスカの人物はそのままだけれども、以前の作品はもっと尖っていた(痩せていたわけではありません)ように思う。どこか意地悪そうにみえたりもしたのだ。それが、今回の人物は哀しげにすら見える。エネルギーを発散する作品から、受け止める作品になってきたといえば、当たらずとも遠からずだろうか。「要は大人になったってこと?」本人苦笑。


手前の人物の表情は、「永いながい時を見つめ、哀しい歴史を見つめてきた」表情。 といっては穿ちすぎ?



以前はこんなかんじ。過去作品はあちこちのページでチェックしてみてね。





●「カワイイ!」って、俺がいってもな……。

展覧会名:手の上の渺渺展
会場:はぐろ洞(文京区湯島3−32−12)
会期:2010年2月7日〜2月17日

 渺渺展という、日展出品の若手を中心に自主開催されている日本画のグループ展が毎年あって、そのメンバーによる小品展。2回目。日展以外にも創画や無所属作家もいますが、今回参加メンバーは26名。米谷清和、中村徹(この二人は、まあ指導役かな)、青木惠、朝倉隆文、池田真理子、伊東正次、岩田壮平、鵜飼義丈、金子絵里、坂本藍子、櫻井伸浩、佐藤陽子、たなかなみこ、棚町宜弘、野田夕希、服部泰一、廣瀬佐紀子、松崎十朗、松崎有紀子、三浦弘、南聡、森美樹、行近壯之助、吉岡順一、吉田千恵、渡邊智子。なにしろ、大きいほうの作品が32×4×3p。小さいものは小型の升みたいで、8pくらいの大きさ。まさに、手にのります。見どころは箱状の画面を活かすための構図。みなさん、苦心してますね。


「今年の流行はイチゴとマーブルチョコかしら?」なにせ小さいので、
こうして覗き込むスタイルになります。イチゴとチョコは、偶然ダブった。



会場に現れた加藤晋(日展会員)さん。まめに展覧会を廻っています。





今週の呑み会



渺渺のメンバー+αで、一次会はカレー屋さん。二次会は斜向かいにあった居酒屋で。二次会メンバー左から、美術評論家で「業界で一番口数の多い」藤田一人さん。この人がしゃべり始めると、ほかの人は話ができません。日展「イケメン」行近壯之助。ヘビメタ好き。日展「こんな顔して大酒呑み」松崎十朗。彼に付き合うと、毎回三鷹からタクシー。さっきの加藤晋さん。下戸。面倒見がよく、みんなに慕われています。一番右が、細かい仕事が得意な日展服部泰一。なに読んでんだよ!




いまや日展の「アイドル」岩田壮平(こいつも下戸)と、6月の渺渺に参加する日展佐伯千尋さん。




私の隣に座った、日展「こんな顔して絵はゴツい」廣瀬佐紀子。今回はオーストラリアを描いたのに、みんなは北海道だと思ってた。そこがいいのよ。

Menu

  • 第13歩
    ●「相撲は魅せなきゃダメでしょ」木村浩之の相撲展
    ●「ミクロの世界にマクロを見る」末永敏明作品展
    ●「みんなおしゃれになりました」渺渺展

    第12歩
    ●「みんなが自分の仕事をすることの大切さ」東日本大震災チャリティー企画
    ●「スーパーマンは存在する」岩波昭彦展

    第11歩
    ●「明るいだけが写実じゃない」石田淳一油絵展
    ●「ぼよよ〜ん」青木千絵展

    第10歩
    ●まことにあいすいません

    第9歩
    ●「もっと弾けろ!!」渺渺展
    ●「これからの楽しみ」ガロン第一回展

    第8歩
    ●「誰かが気にする仕事」グラマラス
    ●「女性像だけじゃない」山本雄三展
    ●「いつまでもアンテナを磨いておいてね」後出恵個展

    第7歩
    ●「彫刻はライティングが命!」大森暁生展
    ●「老舗の画廊にまかせるの?」小滝雅道展

    第6歩
    ●日本画春の展覧会シーズン
    ●「やっぱ京都でしょ?」西嶋豊彦個展

    第5歩
    ●「住宅街連想あそび」円座
    ●「海が好き!」内山徹日本画展
    ●「寂しがり屋の猫」能島千晴展

    第4歩
    ●「屏風は平面じゃない?」岡村桂三郎展
    ●「母は強し!」藤井美加子日本画展

    第3歩
    ●「まだまだ変わってゆくのかな?」寺久保文宣油絵展
    ●「やったもん勝ち」MetaU

    第2歩
    ●「大人になると落ち着くんだな」菱山裕子展
    ●「カワイイ!って、俺がいってもな……」手の上の渺渺展

    第1歩
    ●「パンクのエネルギーって、これなんだ!」石塚桜子 ポートレート・ビュー
    ●「新宿高島屋チョイスは一味ちがう」波高會
    ●「受賞者の今後の活動に注目します」第45回昭和会展

PROFEEL

金田一好平とは