見て歩き:金田一好平のアートルポ



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金田一好平のアートルポ/第10歩

●まことにあいすいません

展覧会名:いろいろ
会場:いろいろ
会期:さまざま

 まことにあいすみません。まるまる3月のご無沙汰になりました。埋め合わせではないですが、ざっとサボっていたあいだに足だけ運んだ展覧会(手帳に残っているもの)をあげますと、 神保千絵・羅針盤、水無月会・相模屋美術店、蛭田均・ニケ、柏木菜穂・G58、暁会・スルガ台、オオタアリサ・b.tokyo、渡辺真木彦・羅針盤、絆の会・ぐんじ、奥村美佳・日本橋高島屋、安住小百合・柴田悦子画廊、4つのインフィ・上野の森M、越畑喜代美・鶴見画廊、大久保宏美・湘南台G、神彌佐子・武美gFAL、北村さゆり・シルクランド、中西良・日動画廊、寒河江智果・もりもと、金丸悠児・四季彩舎、大竹夏紀・b.tokyo、阿部千鶴・新宿小田急、醍醐イサム・紀伊國屋画廊、村居正之・和光、山田りえ・渋谷東急、加藤良三・彩鳳堂、高井美香・銀座松坂屋、明日の白日会・銀座松屋、千々岩修・日本橋高島屋、創画会夏の会・青羅、個の行方・G和田、新世代へ視点・なつか、冨田奈摘・ユマニテ・島屋X、銭谷均・もりもと、META-x・日本橋高島屋 、five element vol.1・日本橋高島屋、清野圭一・新宿高島屋、リオンソー展・日本橋三越、風の会・日本橋三越、丸山友紀・シルクランド、渓展・ギャラリー渓、院展・日本橋三越、二科展・国立新M、安西大・日本橋三越、新制作展・国立新M、吉田善彦・G安藤、佐藤貴幸・光画廊、アヴェニール・春風洞、エサシトモコ・なつか、越畑喜代美・柴田悦子画廊、平子真理・日本橋三越、平澤篤・日本橋三越、一陽展・国立新M、前衛R50・G58、山内和則・日本橋三越、などなど。ほかにも京都画壇のグループ展だとか、森田画廊さんの今村雅弘とかもあったのですが、手帳に残っておらず、もはやいつだったのか思い出せません。ごめんなさい。また、国立新美術館の展覧会は同じクールで他の公募展もやっていますので、できれば観たかったのですが、こちらはチケットがないので見ることができませんでした。残念。

 言い訳的に思い出しますと、神保千絵、柏木菜穂、オオタアリサ、千々岩修、大竹夏紀、冨田奈摘、清野圭一、安西大、吉田善彦、平澤篤などが記憶に残っています。吉田善彦は故人ですので置いておきますが、神保さんの感性、柏木さんのセンス、オオタさんのビョーキ性、千々岩さんの清々しさ、大竹さんの意外性、冨田さんの視点、清野さんの構成力、安西さんの渋さ、平澤さんのこだわり、R50の元気な爺さん……。思いつくままに言っちゃえば、こんな感じでしょうか?
 とくに、美術専門学校のTVコマーシャルにも出てくる大竹さんの作品は、染織だったことが判ってびっくり。冨田さんも、連合卒展(修了展)で観て面白いと思ったのは私だけではなかったと、内心ニヤニヤ。ただ、人気がありすぎ。もっとゆっくり話したかったのですが、やたらと人が多い展覧会でした。神保さんの真空管はマニアック。あの感性はいけてます。

 安西大(ひろし)さんは洋画で箔を使った日本画的手法を駆使した牡丹や蓮などの花が有名ですが、本格的な洋画も、もちろん描いています。私はこちらの方が好きで、特に緑バックの奥行きの深さに安西さんのタダモノでなさ(?)を感じています。だって、箔を使って花鳥風月を描いている作家がカンヴァスに残った色を使って奥行きを出すなんて、真逆じゃないですか。
 もっとも、洋画系作家が日本画の手法に憧れたり、逆に日本画作家が厚塗りしたり奥行きをつけたりすることはよくあることですが、たいがいは「まね」に終わっちゃう場合が多いわけです。そこをいかに「わがもの」にするかが難しいというか、どれだけ「己」を持っているかが問われることになります。だいぶ以前ですが、安西さんについてやはり写実系の作家が話していましたが、割と物事に動じないひとだと話していました。「何でもやりゃあいいんだ」みたいなことを言っていたとのことです。ナルホドね。

 その翌週に同じ日本橋三越で平澤さんの展覧会がありました。じつはそのパンフレットに私が文章を書きましたので、まぁ、宣伝と思われてもしょうがないのですが、文章を書くにはそれなりに理由がありました。パンフレットの文章と重複するのですが、一般的に平澤篤といえば白日会だし、「写実の美人画でしょ?」と捉えられていると思いますが、私が感じる彼の魅力は「背景へのこだわり」です。いくら「やりすぎ」と思われようが、好きなものをどんどん描いちゃいます。その好きなものというのは、クルマ、時計、万年筆、カメラ、ミシン、楽器、といったメカニカルなもの。また、奥さんが音楽家であることもあってクラシックに詳しいですし、本人はジャズ、ロック、さだまさしも好きです。売る側にしてみれば、たぶん美人のよこにゴツイ機械なんか無いほうが売りやすいでしょう。けれども、本人が好きで描いているから観ていて楽しい訳で、「これは売りやすいから」と描いちゃうと、たぶんつまらないものに観えちゃうと思うのです。以前このページに書いたセロニアスモンクのレコードじゃないけれど、「こいつ、スキだなぁ」と思わせてくれないと、私は面白くない。だから、平澤さんには悪いけれども、いつも私は人物よりもまわりの小道具に注目しています。いつ描くのかな?エンジン。


 千々岩 修さんの展覧会場。この頃はむちゃくちゃ暑い日が続いていましたので、この展示はたいへん涼しげで好感がもてました。そういう効果も大切なんですね。



 安西 大さんの展覧会場。イメージよりも渋いでしょ?



平澤 篤さんの展覧会場。このあと、みんなで呑み会。けっこうへろへろになりました。



 二科会で見つけた彫刻。ちょっと気になる。名札に「篠木玲子」とあります。掲載について本人の同意が取れておりませんので、嫌だったらご連絡ください。






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